- 重い物を持つ・腰をひねる動作で
発症するぎっくり腰 - ぎっくり腰の原因は?
- ぎっくり腰の症状
- ぎっくり腰の検査
- ぎっくり腰の治し方
- ぎっくり腰で歩けるけど
痛いときの対処法 - ぎっくり腰のときに
やってはいけないことは?
重い物を持つ・腰をひねる動作で発症するぎっくり腰
ぎっくり腰とは、重い物を持ち上げる動作、腰を急激にひねる動作などをきっかけに、突然起こる強い腰痛です。ベッドから身体を起こした時に発症するケースも見られます。
ぎっくり腰を予防するためには、上記のような動作を避けること、手をつくなどしてゆっくり身体を動かすことが大切になります。
なお、ぎっくり腰は通称であり、正式には、「急性腰痛症」と言います。
ぎっくり腰の原因は?
ぎっくり腰は、以下のような因子が積み重なった状態で、重い物を持ち上げる動作、急激に腰をひねる動作などをきっかけに発症するものと考えられています。
筋肉疲労の蓄積
睡眠不足・栄養バランスの乱れなどによって日常生活において蓄積された筋肉疲労が取れない状態にあると、急激な動作などをきっかけとして、ぎっくり腰を発症しやすくなると言われています。
骨格の歪み
不良姿勢、デスクワーク・立ちっぱなしの仕事、長時間の運転などによって姿勢が崩れ、骨格が歪んでしまうと、背骨や骨盤が正常な位置からずれ、ぎっくり腰を発症しやすくなると言われています。
運動不足に伴う筋力低下
腹筋や背筋の筋力が低下すると、筋肉や関節への負荷が大きくなり、ぎっくり腰を発症しやすくなると言われています。
ぎっくり腰の症状
ぎっくり腰を発症すると、以下のような症状が見られます。
- 激しい腰の痛み
- 腰が抜け力が入らない
- 立てない・歩けない・しゃがめない
- 腰の曲げ伸ばしの際に鋭い痛みが走る
- 腰の熱感
ぎっくり腰の検査
問診・診察では、痛む部位や程度、可動域などを確認し、診断します。きっかけとなった動作などがあれば、医師にお伝えください。
レントゲン検査、MRI検査、CT検査などが必要になることもあります。
ぎっくり腰の治し方
ぎっくり腰の治療では、安静を第一とした保存療法を行います。
保存療法
ぎっくり腰の基本的な治療は、手術を行わずに自然回復を促す「保存療法」です。発症直後は腰の痛みが強く動けないこともあるため、まずは無理をせず安静にすることが大切です。
腰に負担をかけない姿勢をとり、必要に応じて腰椎コルセットなどで固定し、腰の動きを制限します。患部を冷やすことで炎症が抑えられ、痛みの軽減につながります。
多くの場合、安静と疼痛コントロールによって、数日から長くても2週間で改善に向かいます。
薬物療法
ぎっくり腰の痛みや炎症を和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬が使われます。症状の程度に応じて、湿布や内服薬が処方され、痛みを抑えながら回復をサポートします。
薬を使用する際は、自己判断で続けるのではなく、医師の指導のもとで使用しましょう。
神経ブロック注射
通常の治療では痛みが和らがない場合や、強い痛みで日常生活が困難な場合には、神経ブロック注射が効果的です。痛みの原因となっている神経の周囲に局所麻酔薬などを注入し、一時的に痛みを抑えます。
この処置により、痛みで動けなかった方も動けるようになることがあり、早期回復・リハビリの導入にもつながります。
理学療法(リハビリ)
痛みが落ち着いてきた段階で、筋肉の柔軟性や体幹の安定性を取り戻すためにリハビリが行われます。理学療法士によるストレッチや軽い筋力トレーニングを通じて、再発予防と機能回復を目指します。
ぎっくり腰を繰り返さないためには、体の使い方や姿勢の改善も重要です。日常生活に取り入れられる運動や体操を継続することが、長期的な腰痛予防につながります。
ぎっくり腰で歩けるけど
痛いときの対処法
「歩けるけれど痛い」という場合には、軽度~中等度のぎっくり腰と考えます。
まず行っていただきたいのが、アイシングです。氷嚢、冷やしタオル、保冷剤を包んだタオルなどで患部を冷やしましょう。コンビニなどで買えるブロックアイスでも構いません。
その後は、整形外科を受診しましょう。もしコルセットをお持ちでしたら、ご使用の上ご来院ください。
ぎっくり腰のときに
やってはいけないことは?
ぎっくり腰かもしれない症状が出た時、ぎっくり腰と診断された後、以下のようなことは控えましょう。
マッサージ
自分でするにせよ人にやってもらうにせよ、マッサージはお控えください。炎症が悪化するおそれがあります。
無理に動く
ぎっくり腰の治療でもっとも大切なのは、安静です。できるだけ動かず、安静を保ちましょう。痛みが落ち着いてからは、無理のない範囲でリハビリテーションを開始します。
温めすぎ
痛みをとる治療として、温熱療法は有効な手段の1つです。ただ、温めすぎると炎症が悪化してしまうおそれがあります。ご自宅で患部を温める場合は、医師とよく相談した上で実行しましょう。
飲酒
アルコールは、炎症を悪化させる原因となります。少なくとも治療期間中は、お酒を控えましょう。
