TOPへ

変形性膝関節症

50代以上の女性に多い
変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、加齢などを原因として、膝関節の軟骨が擦り減り、痛みや可動域の減少などが引き起こされる疾患です。立つ・座る・歩くといった動作に支障をきたすことから、QOLへの影響も大きくなります。
男女比は1:4と、顕著に女性に多く見られます。40歳くらいから患者数が増え始め、高齢になるほど罹患者数が増加します。

50代以上の女性に多い変形性膝関節症

変形性膝関節症の原因は?

主な原因は加齢です。年齢を重ねるうちに膝の軟骨の水分量・弾力性が低下し、そこに日常的な膝への負担がかかることで軟骨が擦り減り、骨同士がぶつかるようになり、炎症・痛みが出ます。また悪化すると、関節の変形も起こります。
軟骨の擦り減りを加速させる要因としては、肥満、激しい運動、膝への負担が大きい仕事などが挙げられます。また関節リウマチの方、骨壊死の既往歴がある方も、変形性膝関節症の発症リスクが高くなります。

変形性膝関節症になりやすいのはどんな人?

  • 50代以上の方(特に女性)
  • 太っている方
  • 介護をしている方
  • 農業、漁業、建設業などに従事する方
  • サッカー、バスケット、マラソン、スキーなどのスポーツを本格的にしている(していた)方
  • リウマチの方、骨壊死の既往歴がある方

変形性膝関節症の症状
(初期症状~末期症状)

変形性膝関節症では、膝の痛み、可動域の減少といった症状が見られます。
初期・中期・末期に分けて、詳しくご紹介します。

軽度症状

軽度症状
  • 立ち上がる・歩くといった動作の初動で膝にこわばりを感じる
  • 膝の重い感じ、鈍い痛み
  • 正座、階段の上り下り、急な方向転換の際の痛み
  • 正座、あぐらの姿勢がしづらい

中期症状

  • 安静時の膝の痛み

  • 正座・あぐら、しゃがむ、階段の上り下りといった姿勢・動作の困難

  • 膝の腫れ、熱感

  • 歩行時の膝のきしむ感じ、きしむ音がする

  • 膝に水がたまる

末期症状

  • 痛み、腫れ、可動域の減少といった症状の悪化
  • 立つ、座る、しゃがむといった動作が非常に困難になる
  • 慢性的な痛みにより、精神的な負担が増大する
  • 動いたり、外出したりといった活動意欲の低下

変形性膝関節症の検査

変形性膝関節症の検査問診・診察では、症状、膝の腫れや変形、スポーツ歴、既往歴、体重などを確認します。
その上で、レントゲン検査を行い、診断します。関節液検査を行うこともあります。
また、他の疑いのある疾患を除外するため、血液検査、MRI検査が必要になることもあります。

自力で治すことはできない?
変形性膝関節症の治療法

痛みの出る姿勢や動作を回避することは可能ですが、変形性膝関節症を自力で治すことはできません。
診断後は、以下のような治療を行います。

保存療法

消炎鎮痛剤の内服、湿布の外用などの薬物療法、装具療法により痛みの軽減を図ります。また、定期的な膝へのヒアルロン酸注射も有効です。
痛みを落ち着かせたら、膝関節まわりの筋力や柔軟性を維持・向上させるための運動療法を行います。

再生医療(PRP療法)

患者様の血液からPRP(多血小板血漿)を抽出し、膝へと注射する再生医療の1つです。損傷した組織の再生を促すことで、痛みの軽減を図ります。

PRP療法について詳しくはこちら

手術療法

関節鏡を用いたクリーニング手術、骨切り術、人工膝関節置換術などの術式があります。手術が必要になる場合は、速やかに提携する病院をご紹介します。

変形性膝関節症になったら
してはいけない運動や仕事は?

変形性膝関節症の方は、以下のような運動・お仕事はお控えください。

ランニング・ダッシュ

長い距離を走るランニング、短い距離を全力で走るダッシュは、いずれも膝軟骨の擦り減りを加速させる運動です。

ジャンプ・急なターン

サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニスといったようなスポーツを本格的に行うと、「ジャンプや急なターンをしない」というわけにはいかず、おすすめできません。

長時間の立ち仕事

工場でのライン作業、レジ打ちなど、長時間立ちっぱなしの仕事は、急激な負荷こそないものの、変形性膝関節症を悪化させるおそれがあります。

その他膝に負荷のかかる仕事

介護職、農業、漁業、建設業などは、膝に大きな負荷がかかる場面が多く、おすすめできません。